白根館 深沢 守さん

秘湯を守る宿の主人

深沢 守

奈良田温泉白根館
深沢守さん
Mamoru Fukasawa
1949年1月24日生

早川町で一番好きな場所:奈良田

居住地 :早川町奈良田
出身地 :早川町奈良田
性格 :熱しやすく冷めやすい
好きな言葉 :秘湯を守る
趣味 :狩猟、日本みつばちの養蜂
職種 :旅館業

両親が始めた温泉旅館

深沢守さんの経営する「白根館」は、昭和37年に深沢さんのご両親が始めた旅館です。早川町最北の奈良田という地域にあります。もともと奈良田は、冬になると水が凍ってしまうため、温かい湯が出る池(洗濯池)で洗濯をしていました。しかし、昭和31年のダムの建設によってその池は湖に沈んでしまいました。奈良田の人たちは、地域の活性化のために温泉を出そうと、洗濯池があった場所に目がけてボーリングをしました。なかなか温泉が出ず苦労したそうですが、ある時偶然地震が起き、温泉が湧き出し、その温泉を元に白根館を始めました。

現在の白根館になるまで

奈良田で生まれ育った深沢さんですが、以前は東京で働いていたこともありました。しかし、都会の喧騒になじめず、長男の誕生を機に早川町に戻ってきました。それから両親とともに白根館で働きはじめたものの、当時は夏の登山客が主なお客さんだったため、オフシーズンが長く、山仕事、椎茸の栽培など他の仕事も色々としていたそうです。しかしそうした経営に限界を感じ、旅館経営だけで食べていく方法を研究したといいます。

団体客は取らない!泉質日本一の自信!

そしてたどり着いたのが”温泉を生かす”ということです。全国のどこの温泉よりも泉質がいいという自信があった深沢さんは、団体客を取ることをやめ、宴会もお断りし、温泉をゆっくり楽しみたい人だけが来る旅館を目指しました。この決断に最初は苦労したそうですが、今ではお客様にも理解され、当時思い描いていた経営に近づいているといいます。

また来たい旅館になるための努力

”1回こっきりコロ負け、2回でイーブン、3回泊まってもらってやっと宿屋の勝っちゅうこんズラ!”と白根館のwebサイトには書いてあります。  この言葉に表されるように、深沢さんの仕事をする上でのこだわりは、お客さんがもう一回来たいと思う温泉旅館にすることです。そのために、お客さんへの心配りを大切にし、奈良田ならではのここにしかないもてなしを大事にしているそうです。

山と奈良田を愛する男

幼い頃から、山とともに育った深沢さんは、山にある植物や動物、景色など全てを身体で感じることが大好きだそうです。そしてその大好きな山のある奈良田に対する愛が溢れています。奈良田には独特の伝統芸能やしきたりが残っていて、その文化をこれからも学び、そして伝えていきたいと語ります。

自慢の温泉、肌で感じてみました!

取材が終わった後に、自慢の温泉に入らせてもらいました。驚くほどとろみのあるお湯で、今まで入ったことがない極上の温泉でした。湯舟が区切られ、温かいお湯と少しぬる目のお湯に入れるようになっていたり、時間によって男湯と女湯の場所が入れ替わったりと、温泉を楽しみたいお客さんを飽きさせない工夫がされていたように感じました。  みなさんも白根館でゆっくりとした時間を楽しんでみてはいかがでしょうか。

編集サポーター

白根館西村幹子さん(早稲田大学人間科学部 学生)
小島榛菜さん(早稲田大学人間科学部 学生)

 


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