奥山の魅力

早川町は山梨県の南西の端、静岡県との県境に位置し、標高3,000mを超える南アルプスの山懐に抱かれた山村です。その谷間に、富士川の支流でもある清流・早川が縦断しています。総面積は約370平方kmですが、その96%を山林が占める「やまだらけ」の町で、また人口は932人(2022年7月現在)と「日本で最も人口が少ない町」としても知られています。

 

奥山・早川の特徴を表わす3つのキーワード

1「早川入り」… 「入り」とは入り組んだ谷間の地域

南アルプスの雄大な山々に囲まれ、その谷間を早川が流れるこの地域の地理的条件を示した言葉として、古くから使われてきました。自然の豊さと同時に、人が入ることさえ拒むような、自然の厳しさを表した言葉と言えるでしょう。

 3,000mという標高差によって、町内には多様な動植物が見られます。植物では、タブノキ、アラカシなどのカシ帯、高山ではハイマツ帯を見ることができます。野生動物では、天然記念物であるニホンカモシカやライチョウをはじめ、ツキノワグマ、ニホンジカ、イノシシなどのほ乳類、ヤマセミ、クマタカなどの山深い地域にしか生息しない野鳥、またイワナやヤマメ等の渓流魚も数多く生息しています。

2「まんのうがん」… 漢字では「万能丸」と書き、その字の通り万能の人

 昔から「山で暮らす人々は『まんのうがん』でなければ生きていけない」と言われ、農業、林業、狩猟、炭焼き、養蚕など、複数の生業をこなし生活に関わるあらゆることを自分たちの手でこなしてきました。 焼畑でソバ、アワなど自給的な食料を生産する傍ら、山で材木を切り出し、炭焼きをしたり曲げ物を作って換金したり、また狩猟や魚釣りなど、山の恵みを最大限に活用する複合的な生産活動は、早川の人々の生活の知恵と技術、工夫の結晶です。

 現在でも、各家庭で味噌仕込みが行われたり、狩猟や養蜂に取り組む方が大勢見受けられたりと、「まんのうがん」の精神は確実に町民に受け継がれています。

3「ゆうげぇし」… 早川町における地域社会の有り方

 漢字では「結い返し」と書き、いわゆる労働交換のことをいいます。屋根の葺き替え、田植えやお茶摘みなど自分一人でできないことは、まわりの人々の労働力を借り合うことで乗り越えてきました。 「ゆうげぇし」を支える価値観は、相互扶助と共同作業です。「ゆうげぇし」とは呼ばれていないものであっても、助け合いと共同作業は、早川町の暮らしの様々な場面で見られます。「村仕事」「郷役」と呼ばれる水道や生活道の管理に関する共同作業は今でも行われており、年に数回、集落総出で道の草刈りや、セギ(水路)の掃除をしたりもします。

早川町では、この3つの言葉に代表される「奥山・早川ならではの暮らしぶり」を地域の魅力、そして価値と捉え、今後も大切に守っていきたいと考えています。

観光コンセプト

本来の山の暮らしを体感して欲しい 早川町の魅力として紹介した「早川ならではの暮らしぶり」を感じてもらうのが、早川の観光のコンセプトです。中でも、早川町民が日々、早川...

みどころ紹介

早川町は昭和31年に、6つの村が合併して誕生しました。町制施行以来60年が過ぎましたが、今なお旧村ごとに特徴が見てとれ、その豊かな個性が早川町の魅力につながっていま...