麓の直売所・café 小泉やよいさん
大好きな町で大好きな仕事と
麓の直売所・café
小泉やよいさん
早川町のおおよそ中ほどに位置する保地区。町内ただ一つの信号機と道路を挟んで向かい側に立つ早川中学校、春には見事な桜並木に彩られる県道沿いに 麓の直売所・café はあります。そちらにお勤めの小泉やよいさんにお話しを聞いて来ました。
麓の直売所・café 仕事の流儀
それはもう第一に衛生。そして手作りの物をお出しするという事。
麓の直売所・café での担当と仕事は何ですか?
調理の方が主だけど売店の販売もします。
この仕事を始めたきっかけは何ですか?
活性化財団の中での配置転換でこちらに来ました。前はリニューアルまえの南アルプスプラザに勤めていました。
麓の直売所・café ならではのおもてなしとは?
お客様との会話、コミュニケーションを大切にしたいと思っています。そしてやはりなるべく手作りの物を。
自身の性格を客観的に見ると?
仕事をしている時はとても厳しいと思います。仕事の事に関しては譲れないですね。
好きな事や趣味はありますか?
韓流ドラマを観る事。
早川町で好きな場所はありますか?
特には無いけど早川町に生まれ育って。この町が大好きです。
早川町の隣町にある一軒のスーパーマーケット。このお店は早川町から最も近い位置にあり、かなりの割合の町民が利用する大切な町民行き付けのお店です。よくここで見掛けるのが小泉やよいさんです。 「そりゃあ、ここでもプラザにいた頃でも自分で使う食材はね、自分で見ないと分からんじゃん。頼んでも不安じゃんね。」やよいさんはお店で使う食材選びから現場主義です。 「昔はよく青果を売りにきたけど選べなかったからね。持ってきてくれるのは有難かったけど。」かつて早川町には青果をトラックに積んで販売に来ていた業者さんがいました。「今は本当に有難いです。毎日スーパーに寄って行く。自分で欲しい物をGetしなきゃあね。」やよいさんが毎日お店に行くのには食材を新鮮なうちに使い切る事を心がけているからでもあります。それも足りないものを補充する範囲で。 仕事をしている時はとっても厳しいと思います、とご自分の事を言っていた やよいさん、若い相方に指示を出しながら厨房とカフェの中を精力的に動きます。「今も仕事の事に関しては譲れないというかね。つい気持ちが入ってしまうね。」仕事を大切に思いプライドをもって臨む姿勢に携わってきた年月の長さと重さを感じとる事が出来ます。 やよいさんが 麓の直売所・cafe に移って来てから4年が経ちました。その前はリニューアルする前の南アルプスプラザに17年。その前は草塩温泉。更にその前にはハム工場に10数年。トータルすると活性化財団に勤めて34年。それ以前に既に調理師の資格も取得していました。草塩温泉から南アルプスプラザに異動する際、一月ほどの休職期間も「前任の方に色々教わりたいから」と言って早期の異動を希望したと言います。大好きな仕事に出会えたからこそ大切にしたいと思い、真剣に取り組む。シンプルな事だけれど強い思いが伝わってきます。「何しろ仕事が楽しかった。楽しく仕事をさせてもらった。定休日だと分かっていて注文をくれるお客様もいたね(笑)」任されて信頼されている実感。大きな喜びを感じたよ。と当時を振り返って懐かしそうに言われました。「休みなんていらないって言った事がある(笑)有給が消化できなくて貯まっちゃって(笑)。」 仕事が楽しくて大好きで、と言う中にはお客様とのコミュニケーションをやよいさん自身が楽しんでいる事がとても大きい様です。やよいさんは言います。「プラザで勤めさせてもらっている時、ご飯を食べに来てくれたそのお客様に気持ち良く帰っていただいて早川へ行ってみて良かった、家に帰って隣近所の人にあそこは良かったよ。・・そういう風に広げてもらいたいって気持ちがあったね。まあ今もそうだけど(笑)」昔気質の口コミでの宣伝戦略はやよいさんのスタイルであり信念でもあります。そしてお客様との直接的なコミュニケーション、それはいつの時代でも接客の基本であり、おもてなしの核心部分でもあるのではないかと感じました。 やよいさんは普段から人とのお付き合いをとても大切にされていて、広い人脈を持っていると聞きます。仕事以外の時でもたくさんの人がその明るさや親しみやすさ人柄に惹かれて集まってくるのでしょう。
麓の直売所・cafe のこだわりの人気メニューについて少しお聞きしてみました。 まず自慢はチャーシュー、こちらは人気のメニューで勿論仕込みから全て手作業です。噂に聞く分厚くほろほろの口当たり。。麓の直売所・cafe のSNS投稿の画像を検索すると断トツというか、投稿する人のほとんどがチャーシューメンの画像をアップしている事からもその人気ぶりが窺えます。そして焼き肉のたれ。市販の物は一切使わず全部最初から作るのだそうです。差し支えない範囲で入っている材料を教えていただけますか?とお願いすると、「え~別にかまわんよお~、玉ねぎ、りんご、生姜、ニンニク、ごま油、砂糖、醤油 のみだよ」と教えてくれました。これらの材料をバランスのとれた配合に調整しある程度寝かせてから使うのだと思われます。
やよいさんに 麓の直売所・cafe で今後やってみたい事などありますか? と聞くと、 「メニューももうあんまり増やしても私も大変だからねえ。その後の事を色々考えてもねえ。。」食材一つからテーブルに飾る花まで責任をもつやよいさんはその先の事にまで思いを巡らせているようです。とは言え若い相方に声をかけ指示を出し、何よりこのお店の空気を作っているのはやよいさんなのだと感じると、その心地良さを求めて来店するお客様の表情もまた少し違って見えて来る様な気がしました。 時至り自分が去った後を考える事はとても大切ですが、でもこの早川町にとり、まだまだやよいさんを含めシニアの実力者の方々の力を必要とする場面はとても多いのではと実感するのです。
👀筆者主観的目線👀〈お気に入りの時間と場所〉
やよいさんにお気に入りの趣味などはありますか?と聞いてみたところ、「今の趣味は韓流ドラマを見る事?はまってるかなあ」と言われました。ちょっと意外な感じもしましたが、韓流ドラマ好きのやよいさんのために息子さんがYouTubeやプライムビデオ、KTVなどを視聴出来るようにしてくれたのだそうです。その綺麗でロマンチックなドラマを観ながらまったりとした時間を過ごすのが安らげる時だよね~と言われました。テキパキとパワフルに仕事をこなすやよいさん、オフは美しい韓流ドラマで癒やされていました。韓流ドラマは環境ビデオのような効果もあるのかも・・と少し思ったりもしました。 やよいさんに早川町で好きな場所や風景はありますか?とお聞きしました。 「そういう所は特に無いけど、早川町は大好きです。ここに生まれて育って早川町で勤めさせてもらっている事がとても有難いです。」とにっこりされました。活性化財団に長年在籍され町の産業を支え続け今も変わらずお勤めされていて。早川町の現役シニアの代表の様な方だな、と思いました。長年人口減少のこの町に今も貴重な人材である事に間違いはありません。
取材:望月 千賀子