早川給油所 辻 史乃さん・深沢 渡さん・深沢 照巳さん

県道37号線沿いにある浜田屋商店早川給油所。
広く移動距離の長い早川町にある給油所として、地域や地元企業との繋がりが深く貴重な存在です。

辻 史乃さん・深沢 渡さん・深沢 照巳さん

 

施設の流儀、おもてなしこだわりポイント

お客様には出来るだけ親切丁寧に接客しています。時々お話ししたいお年寄りの方とかもいらっしゃるので、そういう時は甲州弁丸出しで(笑)お話します。 尚、ガソリン、軽油の給油をしていただいたお客様には、洗車無料のサービスをさせていただいています。

施設の仕事の内容を教えてください。

ガソリン、軽油、灯油の販売とそれらの配達です。

この仕事を始めたきっかけは?

辻さん:私は自然の流れです。家の手伝いの様な形でこの仕事を始めて、もう30年になります。自宅は離れていますが一時間半程かけて通っています。

渡さん:俺達は第三の人生です。

照巳さん:そうですね、第三の人生だね。

スタッフの間柄は?

昔からの顔馴染みだったり、家が近所だったり、たどれば親戚の繋がりもありますよ。白鳳太鼓やスキークラブなど趣味や遊びが共通してもいましたね。気心の知れた仲間です。

施設の夢はありますか?

先の事を考える時、あまり明るい方向には思えないですね。とりあえず現状維持でやっていくしかないですよね。仕事の割合として一般の方々より業者さんへの配達の業務がメインなので、今入っているリニア工事の関係の方々や雨畑の業者さんがいなくなったらほとんど仕事が無くなってしまうんじゃないかと心配になります。観光で来て給油で寄ってくださる方はほんの一握りなので、やはり日常的に地元の方にガソリンスタンドは使っていただきたいと思います。ガソリンスタンドが早川町から無くなってしまう可能性もないとは言えないです。そこでひとたび災害でも起きればそれこそ大変な事態になってしまうのではと思います。

早川町の魅力を教えてください

辻さん:人がいないところが魅力かな。あと私はバイクに乗るのですが、ノンストップでこれだけの距離を信号機も渋滞もなく走れる所は他には無いです。新緑の時とかはやはり気持ちいいなぁと。ストレスなく走れる爽快感ですね。奈良田まで結構なツーリングコースなんですけど、ただ平日はダンプカーが多いのが残念なところですね。

渡さん:今はなくなってしまっているんですが、以前すぐそばにスイセンを植えていてそこから見える南アルプスが好きでした。観光で来てもらっても見るところも無いし、少しでも見てもらえるところを何か作らなければと、思ってます。

 

 

👀筆者主観的目線👀〈仲間うちだからこその〉

早川給油所さんでの聞き取り取材はスタッフの方々3名からお話を聞くという形になりました。そこでは地元ならではの話題と近所の玄関先ででも話しているような心地よさがありました。勿論、それだからこその厳しい話もありました。 どうにもならないガソリン価格の事、色々な規制が強まる中での施設維持の大変さ、ガス欠やタイヤのトラブルなどで山の中からでも連絡があれば駆けつけなければならない事、観光客を呼ぶにはもっと大掛かりな町営施設の建設を考えたり、そこに地元高齢者からの求人の創出の可能性を考えたらどうだろう、など。 そしてお話を聞かせてもらいながら、改めて“昔からの仲間うち”の貴重さを感じました。長い年月の間の共通の話題、問題意識の共有、何より言いたい事が言える事。何かを始めるにしても何かを作るにしてもそのリアルな、でも堅苦しくない会話からスタートしていく事は多いのではないかと思います。 辻さんがやってみたいと言われていたバイカーズカフェのお話。リニアが見えるところに皆がくつろげる場所があったら。そして渡さんが言われた、リニアの鉄橋から飛ぶバンジージャンプ。バンジー飛ぶなら俺はスカイダイビングのほうがいいと言われた照巳さん。現実を捉えながらも厳しい状況を意識しながらも、生まれた町に寄せるそれぞれの思いが伝わってきた取材でした。

 

 

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