西山温泉 蓬莱館 天野 邦美 さん

切り立つ断崖、白鳳渓谷の奥。 古来より名高い名湯西山温泉郷に元湯蓬莱館はあります。

天野邦美さん

 

施設の流儀、おもてなしこだわりポイント

『天然自噴温泉』 降った雨が数年・数十年もしかしたら、数百年かけ地下に染み込み濾過され自然の恵を吸収して、そこからまた何年もの時を経て自然の恵を吸収して自噴している温泉だからこそ全国的にも珍しい「黄金の湯の華」が現れます。 また飲泉も出来ますので身体の外から中から温泉を楽しんで頂きたいと思います 一番はお湯ですね。天然の自噴だからこその黄金の湯の花は多分早川町ではうちだけだと思います。

『素朴で滋味あふれる料理』 お出しするお料理はうまみ調味料など使わず天然の素材から出汁をとり、地元産の食材を地元に伝わる調理法で提供しています。

『おもてなしはさりげなく』 シーツや浴衣など寝具の洗剤も皮膚トラブルの方に配慮して極力刺激の少ないものを使用しています。うちのお客様は湯治目的で一定期間逗留されるお馴染みさんも多くいらしゃいます。身体の負担はなるべく少なくしてあげたいのです。それは過剰なものではなく、お客様に寄り添った何気ないおもてなしが出来れば良いですね。個々のお客様が何を望んでおられるかで、おもてなし、サービスの内容も変わってきます。なので今は目が行き届くように客室の稼働も5部屋に抑えています。

『湯十日』 昔から伝わる言葉で、温泉に十日滞在しなさい。十日居れば身体が戻りますよ(回復しますよ)。といわれています。

この仕事を始めたきっかけは?

家業を継いだわけですが、旅館になってからは私で四代目くらいになります。それ以前かなりの昔からうちは自噴温泉としてあり、地元の人たちが大衆浴場のように入っていたようですね

あなたとは?

極端に前向きですよ(笑)。ポジティブ。何があっても何とかなる、じゃなくて何とかする。といった気持ちしかないですよ。頼っていられないというのがあります。

早川町の魅力を教えてください。好きな場所はありますか?

やはり“自然”になりますかね。そしてお客様にはうちの旅館も含めてですが時間の流れがゆっくりしていると言われますね。自然もそうだし全体的にゆったりしているのが魅力ですよね。 あと、あまり人口の増減を気にしないでもっとポジティブな話題に注目していって良いのでは?(笑)若者が定住しやすい町の雰囲気づくりのためにも。

趣味はありますか?

スポーツが好きですね。ゴルフやスキー、テニス、海にも潜りますし波乗りもやります。山の中にいつもいるから海は好きなのかもしれない。普段は目の前に壁がありますからね。海はその壁がない。この先にまだまだ色々なものがいっぱいあるんだろうなと。だから結構考え事などはやめますね。山の香りも良いけど、潮の香りも良いですね。

好きな言葉などあれば

特にないけれど“やる事は今”。林修の〔今でしょ〕じゃないけど、今やることはやっておかないと。明日になればまた明日の用事ができてくるから。明日で良いよと言うとエラい(=大変な)事になってしまう。

 

 

👀筆者主観的目線👀〈古からの姿を〉

海外留学のご経験がある天野さん、海が好きで海の向こうにイマジネーションを搔き立てられるのは自然な事なのでしょう。他の国の人々、多地域の文化に接して分かったのは人間皆本質的には同じなんだなという事だそうです。「何処の国でもママもかあちゃんも恐いもんだとかね(笑)。皆同じなんだと思えばどの国の人と接するときも同じ姿勢がとれるじゃないですか。ましてや日本人同士ならもっと親密な関係が築けますよね。それをちゃんと伝えてお客様の気持ちを汲み取ってあげれば。」と、この辺りにも〔さりげないおもてなし〕を心掛ける蓬莱館のスタイル、天野さんのお客様への気遣いが窺えました。

一方で、蓬莱館の特色でもある“混浴”という形式(日帰り入浴において・タオル、湯着、利用可)については維持していく方向で、より日本国内のお客様に足を運んでいただきたいという胸の内も見えてきました。 天野さんは海外の人々と接し色々な文化習慣を体感した上で、日本古来の温泉旅館のそのスタイルのまま続けるいう事に辿り着かれたようです。そして古よりの名湯西山温泉、1300年前そのままの姿を今に伝えていますと言われ、その誇りをひしひしと感じとる事が出来ました。

 

 

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